魚住誠一リポート 間違いだらけのLEDライト選び

製品テスト

今回、話題の LED を一気にテストしてみた。市場には様々な価格の製品があるが、出来るだけ安価な製品のデキを試すべく8機種に絞ってテストした。実際に使用し、各社とも実用的で、ストロボに変わる手軽な光源として重宝するのは間違いないと思う。 データとコメントをよく見て、あなたの1台を捜してください。

LED撮影例A

■写真左:
LED使用時/夕暮れ前、逆光気味の撮影。そのままでは背景がオーバー気味になるので、適度に補助光としてLEDを使用。ほんの少しだけキャッチライトが欲しかったので、調光を落として直射している。
■写真右上:
LED未使用/背景を出そうとすると当然顔が暗くなる。
■写真右下:
撮影風景/ホットシューに搭載でき手軽に使用できる。

LED撮影例B

■写真左:
LED 2灯を使用/メインのLEDはディフューザーを透過し、さらに柔らかな光としている。人物後方よりアクセントライトとして、タングステンフィルターを装着したLEDを使用。
■写真右:
撮影風景/長時間使用しても熱を持たないので手持ちでも充分。

※撮影データ
カメラ:キャノン5D-MK2、LED:プロ機材ドットコム CN-126 及び FV-R3S を使用

製品レビュー

[ LPL ]
VL-300

実売価格¥9,900(税込)前後

1年程前にデビューした人気のLED。単3電池4本で手軽に使えるところがいい。良心的な価格が嬉しかったが、色温度は高めでグリーン系の発色。今回テストでは照射ムラが気になった。後継機のVL-300Cは調光機能と角度を変えるアクセサリーが付属するがこの機種には無いのが残念。

製品画像

照射角画像

電源調光連続点灯時間実測色温度(K)照度(Lx)実測F値(ISO400 1/60秒)照射角サイズ・重量
ノーマルフィルタ使用ノーマルフィルタ使用ノーマルフィルタ使用
単3電池4本約3時間7040K3680K378lx240lxF2.05F2.0120×43×100mm
180g(電池含まず)

【付属品】透明フィルター、色温度変換フィルター

[ プロ機材ドットコム ]
CN-126

実売価格¥10,290(税込)

今回テストした角形LEDの中では最も評価が高い製品。色温度、明るさとも充分なスペックで、色目はほんの少しグリーンが乗るが自然光とのミックスでも違和感は無い。バッテリーが単3、ソニー用、パナソニック用と3種類使えるが、スチルカメラだけしか使わない人にはそんなに魅力はない。しかし1万円程の価格で、無段階の調光機能が付いて、バッテリー残量も視認出来る等、最もコストパフォーマンスが高い製品だと言える。

製品画像

照射角画像

電源調光連続点灯時間実測色温度(K)照度(Lx)実測F値(ISO400 1/60秒)照射角サイズ、重量
ノーマルフィルタ使用ノーマルフィルタ使用ノーマルフィルタ使用
単3電池6本(注1)0~100%約3時間(注2)5290Kアンバー:2680K
ディフューザー:5140K
410lxアンバー:254lx
ディフューザー:302lx
F2.08アンバー:F2.01
ディフューザー:F2.03
140×95×55mm
255g(電池含まず)

注1:ソニー用、パナソニック用リチウムイオンバッテリーも使用可能。 注2:単3アルカリ電池使用の場合

【付属品】ディフューザー/タングステン変換フィルター各1枚、パナソニック用バッテリー変換アダプタ

[ LPL ]
VL-300C

実売価格¥14,500(税込)前後

VL-300の後継機。無段階調光機能が付いて明るさもUPした。電源スイッチと調光スイッチが独立しているので、カットしても同じ条件で撮れて便利。前機種も同様だが、照射ムラが気になるのと、調光フルで小さなノイズが発生する。色温度もVL-300同様に高くグリーンが若干乗ってくる。フィルターのロック等、全体の創りはしっかりしている。

製品画像

照射角画像

電源調光連続点灯時間実測色温度(K)照度(Lx)実測F値(ISO400 1/60秒)照射角サイズ、重量
ノーマルフィルタ使用ノーマルフィルタ使用ノーマルフィルタ使用
単3電池4本0~100%約1.5時間7660K3740K505lx338lxF2.81F2.05120×43×100mm
180g(電池含まず)

【付属品】透明フィルター、色変換フィルター、ディルトップDX、ソフトケース

[ サンテック ]
SP サンテックライト PL120

実売価格¥19,800(税込)

ディフューザーが固定されているので、照射角度が広くコンパクト。その分、今回テストした角形の中では最も暗かった。色温度は良好だが、グリーンかぶりがやや気になる電源は内蔵のリチウムイオンだけなので、乾電池や予備バッテリー等が使えないのが難点。バッテリー残量は4段階表示で分かりやすい。連結用のアクセサリーシューが3カ所あり、増灯も出来るがバランスが悪くなるので実用的ではない。

製品画像

照射角画像

電源調光連続点灯時間実測色温度(K)照度(Lx)実測F値(ISO400 1/60秒)照射角サイズ、重量
ノーマルフィルタ使用ノーマルフィルタ使用ノーマルフィルタ使用
内蔵充電式リチウムイオンバッテリー約2.3時間5100K224lxF1.4960°94×81×31mm
175g(電池内蔵)

【付属品】ブラケット、充電アダプター

[ プロ機材ドットコム ]
FV-60S

実売価格¥20,790(税込)

タバコぐらいのサイズで小型だが、一昔前のデザインが気になる。配光特性が角形とは異なり、くっきりと輪郭が出て周辺まで一定の明るさに見える。色目はややグリーンで、色温度は少々高め。ソニー用互換バッテリーが付属しているので、同じムービーカメラを使う人には便利。

製品画像

照射角画像

電源調光連続点灯時間実測色温度(K)照度(Lx)実測F値(ISO400 1/60秒)照射角サイズ、重量
2灯1灯2灯1灯2灯1灯
ソニー用リチウムイオンバッテリー約3時間6560K6510K184lx80lxF1.46F1.0575°45×75×105mm
200g(電池含まず)

【付属品】ソニー用互換リチウムイオンバッテリー、充電器

[ ライトパネルズ ]
LP-MICRO

実売価格¥30,000(税込)前後

ライトパネルズはハリウッド御用達の高級LED。調光ダイヤルの重さ等、操作感はとても快適で、ベンツのような存在。さすがに高額だけあって、色温度は5400Kで色目も完璧。アンバー系フィルターも濃淡付属していて、色を重視するならお奨めできる。但し、外人向けの発色なので、日本人の肌ではやや赤みがかった色目になり注意が必要だ。

製品画像

照射角画像

電源調光連続点灯時間実測色温度(K)照度(Lx)実測F値(ISO400 1/60秒)照射角サイズ、重量
ノーマルフィルタ使用ノーマルフィルタ使用ノーマルフィルタ使用
単3電池6本0~100%約1.5時間5400K濃いアンバー:2710K
薄いアンバー:4330K
ディフューザー:5070K
242lx濃いアンバー:103lx
薄いアンバー:157lx
ディフューザー:119lx
F1.49濃いアンバー:F1.09
薄いアンバー:F1.43
ディフューザー:F1.41
97×70×38mm
110g(電池含まず)

【付属品】フィルターホルダー、タングステン変換フィルター、アンバーフィルター、拡散フィルター、単3電池×4本

[ プロ機材ドットコム ]
FV-R3S

実売価格¥31,290(税込)

3個の高輝度LEDを使い、今回テストした中で最も明るい製品。バーンドア2枚、ディフューザーとアンバーの変換フィルターが一体式で着脱可能になっている。色温度は少し高めでややグリーンかぶりが出るが、発色は良好で好感が持てた。アンブレラが装着出来るアダプターが付属しており、ホットシューやカメラネジにも対応できるシステムがプロ用らしい。

製品画像

照射角画像

電源調光連続点灯時間実測色温度(K)照度(Lx)実測F値(ISO400 1/60秒)照射角サイズ、重量
2灯1灯2灯1灯2灯1灯
ソニー用リチウムイオンバッテリー0~100%約2時間6600Kアンバー:3370K
ディフューザー:6140K
800lxアンバー:135lx
ディフューザー:530lx
F2.87アンバー:F2.03
ディフューザー:F2.81
60°72×127×100mm
325g(電池含まず)

【付属品】バーンドア、タグステン変換フィルター、ディフューザー、リチウムイオンバッテリー、充電器、アングル調節ブラケット、細ネジ変換アダプター

番外編

[ プロ機材ドットコム ]
VD-7

実売価格¥2,520(税込)

なにしろ安い!今回の他製品とは同じ土俵で比べられないが、これだけ光ってたら儲け物みたいな感じの製品。色温度が高くシアンぽいクールな色調だが、懐中電灯代わりに常時携帯するのもいいかも。他の製品より照射角が狭いのが難点だが、逆にスポット的な使い方が出来るのでちょっとしたアクセント光にもなる。付属品のカメラプレートだけで元が取れるこの価格がいい。

製品画像

照射角画像

電源調光連続点灯時間実測色温度(K)照度(Lx)実測F値(ISO400 1/60秒)照射角サイズ、重量
ノーマルフィルタ使用ノーマルフィルタ使用ノーマルフィルタ使用
単4アルカリ電池2本約5時間10400K164lxF1.4345×40×70mm
160g(電池含まず)

【付属品】アクセサリーシュープレート